・大アルカナと小アルカナ
・タロット・カードの分類
タロットの起源については、神秘主義者や占術家によって、エジプト起源説、インド起源説、ユダヤ教カバラ、錬金術との関連など、いくつかロマンティックでミステリアスな説があります。しかし、実際はいずれも信憑性に乏しく、その起源については神秘のベールにつつまれています。 現在の形のタロットが生まれたのは、15世紀前半の北イタリアのルネサンス諸都市であるといわれています。研究者によって異論があるものの、成立年代と場所については、現在のところこれが定説となっています。 当時は、貴族や富豪の為に画家が描いた手描きの物が主流で、ゲーム用に使用されていたとされています。現存する最古のタロットは、1484年の日付の入ったもので、ヴィスコンティ・スフォルツァ版と呼ばれています。 その後、16世紀頃から木版画の量産品が出回るようになり、徐々に庶民へ、全ヨーロッパへと普及して行きました。特にタロットゲームによるギャンブルは盛んで、風紀を乱すという理由から何度も禁止令が出たようです。 18世紀頃には、ほぼ現在と同じ絵柄が確立したようです。この当時の絵柄のタロットは、当時一大生産地となったマルセイユにちなんで、マルセイユ版と呼ばれています。この頃より、タロットを神秘的な物と見る風潮が高まり、ようやく占いに多用されるようになりました。 タロットの起源は古代エジプトにあるという説を提唱したのは、フランスの学者・クール・ド・ジェブランです。これは、古代エジプトの賢者の知恵を、寓意画で表したものがタロット・カードなのではないかという説で、神秘好きなオカルティストたちの絶大な支持を得ました。 さらに、19世紀末になると、フランス、イギリスのロマン派の芸術家や神秘主義者たちによって、タロットの象徴が研究され、今の占いのスタイルが出来上がりました。それを受けて、当時流行の占い師・エッティラが新解釈のエッティラ版を創作、タロット=神秘的というイメージを確立します。 日本にタロットが入ってきたのは意外と最近で、1970年代のことです。1973年に『タロット占いの秘密』(監修・辛島宜夫)が発売され、これは日本で初めて制作されたタロット・カードといわれています。80年代以降、日本でも一般的にタロットが知れ渡るようになり、現在に至ります。