山天大畜(さんてんたいちく) ・大いに畜養の卦 家の中に立派なものを蓄えている状態を表しています。大事大業を成し遂げる前には、大いに実力を蓄えておく必要があります。早く出ていきたいと焦ってはいけません。充分な準備をしておき、時勢を見極めて活動を開始したのであれば、万事に大きく成功し報いられるはずです。
山沢損(さんたくそん) ・損ずる卦 相手=山、自分=谷の形になっており、谷が深ければ深いほど、山はより高く見える様子を表しています。誠意から相手のことを思い、自分が損をしてでも他の人に利益を得させるよう努めることが大切です。そのうちに目に見えない形で、廻りまわって自分に幸福が返ってくるはずです。
山火賁(さんかひ) ・美しく飾る卦 山の谷間に沈んでいく夕日を表します。この太陽は、美しく山を照らしてはくれますが、万物を明るく照らすものではありません。足元は明るいのですが、先行きには危ういものを感じさせます。そうならないためにも、外見の装飾を飾るのではなく、内面の美しさを磨いていくことが大切です。 山雷頤(さんらいい) ・養い育てる卦 物を噛み砕く顎・口を表しています。他人をあてにして、ひたすら口を開けて待っているのではなく、自分から努力して正しい知恵や思想を取り入れ、そのことを反復して解釈し、自分の心身を大いに養い育てていくことが大切です。それによって内側の空虚な状態が消えていきます。
山風蠱(さんぷうこ) ・蠱惑・壊乱の卦 風通しが悪く、物が腐っていく状態を表します。物事が停滞し、内部から乱れが生じてきています。放置していたらいずれ崩壊してしまう恐れがありますので、乱れの元を大いに改革刷新していく必要があります。そうすれば、停滞していた物事が大いに伸び栄えていくはずです。
山水蒙(さんすいもう) ・無知蒙昧の卦 山から流れる小川が、やがては大きな大海になっていくことを表しています。今はまだ無知蒙昧すぎるため、何事も見通しがはっきりせず、様々な失敗をしてしまう時期です。見識のある人の意見をよく聞き、じっくり時間を掛けて様々な学習・経験をしていかなくてはなりません。
艮為山(ごんいさん) ・敦く止まる卦 不動の山が2つ重なった卦です。欲望などもたず、言いたいことも胸の内にとどめ、山のような高尚な精神と不動の信念をもつことの大切さを説いています。自分の立場をよく考え、静かに身を守るべき時期です。新しく何かを進めたりせず、1つずつ物事を積み重ねていくことが大切です。
山地剥(さんちはく) ・剥落されてゆく卦 高くそびえ立つ山が、雨風の浸食によって次第に崩れ去っていく状態を表しています。今まで築き上げてきたもの一切が剥ぎ落とされ、崩壊していく状態です。今あるものを全て無にして、物事を新しく始めていく必要があります。攻めも守りもせず、柔軟に状況を受け入れていくべきです。