地天泰(ちてんたい) ・安泰・交流の卦 天と地の気がよく通じ合い調和し、安らかな状態にいることを表しています。全ての物事において安泰な状態で、万物は伸び栄えていくこととなります。ただし、あまりにも安泰に馴染んでしまうと、怠惰・おごり・油断から様々な乱れが発生してくるため、決して安心していてはいけません。
地沢臨(ちたくりん) ・附して臨み見る卦 一段高いところから、下に臨む湖を見ている状態を表します。今は勢いが盛んな時期なので安心ですが、頂点に達した後には必ず衰退していく時期になっていきます。早めに頭を切り換え、充分に警戒し、時勢に応じて自分自身をうまく適応させるようにしておく必要があります。 地火明夷(ちかめいい) ・明が破られる卦 万物を照らすべき太陽が大地の下に沈んでしまい、暗闇に覆われている状態です。才能も努力も決して認められず、無理をして積極的に出ても、逆に自分を滅ぼすだけです。どんなに急ぎたくても我慢し、一切自分の才能や計画を表面に出すことはせず、夜が明けるのを待つべきです。
地雷復(ちらいふく) ・一陽来復の卦 地中に暖かみが戻ってきて、大地に新しいつぼみが出来始めたことを表します。ただ、まだ春の時期は迎えておらず、つぼみの力は微弱であり、成長するにはまだまだ時間が掛かります。春までまだ少し掛かるので、将来大きく伸び栄えていくためにも、今はじっくり準備に励む時です。
地風升(ちふうしょう) ・升り進む卦 大地に蒔かれた種が、徐々に伸びていく状態を表します。植物が成長するには、肥沃な大地と暖かい太陽が必要なように、日の目を見るためには、目上の引き立てや周囲の状況が大切です。受身の立場で従順にしておくことと、自分の実力を相手に認めさせる熱意と努力が必要です。 地水師(ちすいし) ・戦い争う卦 大地の下の水を、多くの人達が奪い合っている状態を表します。よって、戦争の卦ともいわれています。多数の人達の争いの渦中に立たされ、安泰を得難く、孤立してしまい、苦労の絶えない状況です。目上の人に相談することで、何らかの問題を打開していくことができるはずです。
地山謙(ちさんけん) ・謙譲・謙虚の卦 本来上にいるべき山が、大地よりも下にいる状態を表します。君子が、自分の力を誇示することなくその力を内に留め、謙虚な心でいる美徳を説いています。実力があるのに世に出られない下積みの苦労はありますが、謙虚・謙譲でいることで、のちに全てが通達していくこととなります。
坤為地(こんいち) ・純陰至柔の卦 全ての爻が陰爻なことから、従順に全てを受け入れている無為自然の状態を表します。万事控えめに自分の分限を守り、人からの助力を仰ぎ、地道に努力していくことが大切です。少しでも自分の主張をしてしまうと道に迷うことになるので、良き指導者のあとに従っていくべきです。
参考文献 『易経 上/下巻』 高田眞治 著 岩波文庫 『黄小娥の易入門』 黄小娥 著 サンマーク出版 『サイコロを使った実占・易経』 立野清隆 著 五月書房 『開運!ダイス易占』 立野清隆 著 PHP研究所 『占術 命・卜・相』 高平鳴海 著 新紀元社