六十四卦 八卦を上下に2つ組み合わせ、大成卦といわれる卦を作ります。8×8で64種類の卦が出来上がるので、六十四卦と呼ばれます。周易では、この六十四卦で様々な事象を占っていくことになりますが、占的によってたくさんの見方ができるため、各占的に合わせてどのように解釈していくかが周易の難しいところとなります。占い師に、経験、教養、感受性が要求されるのはそのためです。
六十四卦表
六十四卦各卦の意味 乾為天(けんいてん) ・ 純陽至剛の卦 全ての爻が陽爻なことから、天の働きが健やかで止まることがないように、物事すべてがスラスラ成し遂げられ、大いに充実している様子を表します。しかし充実しすぎるがために、返って多忙で安らぐことができないため、必ずしも吉とは言い切れません。
天沢履(てんたくり) ・礼儀・礼節の卦 虎の尾を履(ふ)むような危険の中にいるときなので、他人に先立ってことを起こせば、必ず失敗してしまいます。年長者・目上の人の意見に従い、人の履(ふ)むべき道=礼にかなった態度で慎重に行動していかなければなりません。
天火同人(てんかどうじん) ・ 人と同じくする同志の卦 外卦の天も内卦の火も共に太陽に例えられ、両者が公明正大に何の秘密もなく、心から和同・共同していけるなら、物事は大いに成功していきます。また、逆に隠し事をしていたとしても、それは白日の下に出てきてしまう危険があります。
天雷无妄(てんらいむもう) ・ 妄動を慎む卦 天も雷も、自然・宇宙の理として自然に起きるものです。その天や雷のように、人為的な作為・期待・邪心・私利私欲は持たずに、天のなすまま、ありのままの状態で自分のなすべきことに進んでいくことが大切です。
天風こう(てんぷうこう) ・ 思わぬ出遇いの卦 全てが陽爻=男性だったところに、陰爻=女性が突然飛び込んできた状態です。ただ、そこから物事は少しずつ崩れていくことになります。偶然とか僥倖(ぎょうこう)などによる一時的な幸運が、かえって災いとなり一身破滅に至ることが多いので警戒が必要です。
天水訟(てんすいしょう) ・ 訴え争いの卦 訴訟というものは、お互いに自分が正しいと思って起こすものではあるが、それは決して愉快なものではなく、勝敗いずれにしても、しこりを残す結果となってしまいます。できることなら、ほどほどで訴えを中止するべきです。もし勝つことに固執し続けたならば凶となってしまいます。 天山遯(てんざんとん) ・ 遯れ退く卦 小人の勢いが盛んになってきている時です。大きな志がたとえあったとしても、時の情勢を冷静に判断し、時機が来るまでいったん隠退しておくべきです。時が来れば、自己の志す道を進んでいけるはずです。小事なら今まで通りにやっても通りますが、大事は行ってはいけません。 天地否(てんちひ) ・ 否塞・背反の卦 天はあくまで高く、地はあくまで低く、両者の気が通じずに分離してしまっているように、物事が塞がって通じ合えない状態を表しています。日常生活でも精神面でも面白くないことの連続ですが、時間の問題と思って耐え忍び自重していれば、自然に時が解決してくれるはずです。